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2011年2月2日水曜日

マリー・アントワネットの小劇場

実は今、漫画『ベルサイユのばら』の作者である
池田理代子さんが、フランスにご滞在なさっています。

フランス西部にある街、アングレームで先週開催された
漫画国際フェスティバルへの招待を受けて渡仏されたようですが
一昨日1月31日、ヴェルサイユ宮殿敷地内にある
プチ・トリアノンの『王妃の小劇場』にて
プライベートのコンサートも開かれたようです。
池田理代子さんは、漫画家でいらっしゃると同時に
クラシック歌曲の歌い手さんでもありますからね!


ということで、今日は
池田理代子さんが今回お立ちになった舞台である『王妃の小劇場』、
マリー・アントワネットが個人的に作らせた、この劇場について
少しお話しようと思いま~す!


マリー・アントワネットは、まだ祖国オーストリアのウィーン宮廷で暮らしていた
12歳の頃から、舞台の上で芝居を演じたりしていたといわれています。
彼女は芝居と音楽が大好きで
それはフランスへ輿入れして
王妃の地位を得た後も、ずっと変わることはありませんでした。
そしてこの娯楽を十二分にも満喫するため
マリー・アントワネットの縄張りとも言えるプチ・トリアノンの敷地内に
自分専用の小劇場を建設させました。

1778年6月に工事が開始され、2年の歳月をかけて完成。
1780年8月1日、杮落としにM・J・スデーヌ作「王と農民」が上演され
マリー・アントワネットは農夫に恋する羊飼いの娘役で出演して
劇場のオープニングを飾ったそうです。
その後も王妃は、10作品以上の芝居に
役者としてこの舞台に立っています。
最後に演じた作品は、1785年9月15日に上演された
ボーマルシェの「セビリアの理髪師」で
ロジーナ役で出演しました。

「王妃の小劇場」概観

















舞台
















マリー・アントワネットは芝居以外にも
得意のハープやクラヴサンの演奏なども
この舞台上で披露したそうです。

また、何も王妃がいつもこのステージに立っていたわけではなく
コメディ・フランセーズや、とりわけ彼女が気に入っていたコメディ・イタリエンヌなど
劇団員を呼び寄せて、プライベートな芝居の上演をさせたり
当時活躍していたヴァイオリニストのリサイタルを催したりもしました。


上の写真でもおわかりのように
概観は、いたってシンプルです。
その代わり場内は、ブルーの布地と金の木彫装飾をふんだんに施した
華麗な劇場です。
舞台中央上部には、王妃の頭文字であるMとAを飾り文字にした装飾、
そして、そのまま目線をグーっと上にあげていくと
ラグルネが描いた美しい天井画があります。

王妃の頭文字MとAが重なった装飾、わかりますか?



ラグルネの天井画


1つ面白いなぁ~と思ったのは
2階バルコニー席を要所要所で支える柱の装飾が
フランス国王の紋章である、ライオンの『皮』なんです。


これがその、バルコニー席を支えるライオンの『皮』の装飾!
ちょっとわかり難いかな?ライオンの顔があるの、見えます?


それにしても、『ライオン』そのものではなく、なんで『皮』なんでしょうね!
ヒマな時にでも、ちょっと調べてみます~。


ところで、実は私も、ある楽器を奏でる人間なので
こんな素晴らしい劇場で、演奏なんかできたら
いいなぁ~なんて思います。。。(´ ▽`).。o♪♪  

・・・夢のまた夢ですね^^;


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6 件のコメント:

  1.  バルコニー席を支えるのはライオンの皮なんですね。
    ちょっと分かりずらいのですが・・。
    どういう意味なんでしょうね。

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  2. コメントどうもありがとうございます!!

    そうなんです。ライオンの皮がバルコニー席を支えているのですが、写真、やはりわかり難いですかね?^^;;;

    ライオンが背中で支えているような感じです。
    顔が写真のちょうど真ん中あたりにあって
    下を向いています。

    どうしてライオンの皮が装飾として使われたのか
    まだ、ちゃんと調べていないのでわからないのですが
    ライオンの皮というのは
    どうやら英雄ヘラクレスを意味することがあるようで
    (ヘラクレスがライオンと戦ってやっつけた後、
    その皮を剥いで肩にかけている絵などがよくあります)
    その勇者ヘラクレスを
    フランス王と重ね合わせるような思考が当時あったため
    もしかしたら、そこからフランス王の紋章になったのかもしれないですね。

    時間のある時に、もうちょっとつっ込んで調べてみますね!

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  3.  1年半前にヴェルサイユ宮殿の観光をしました。
    プチ・トリアノンの庭園観光時間は1時間だったので王妃の館等を回り、最後に王妃の劇場に入りました。
    中はちょっと暗くて良く見えませんでした。
    天井絵まで見ていなかったことにあとで気が付きました。
    そんな訳でバルコニーなどはじっくり見ていないんですよ。
    この次は時間を気にせずゆっくり見てみたいですね。

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  4. コメントどうもありがとうございます!

    是非是非、次回はゆっくりたっぷり
    ご覧になって下さいね^^
    オーケストラボックスの壁など
    見た目は一瞬大理石に見えるのですが
    実は大理石模様を貼り付けた木材でできています。
    そういう点で、音響効果などもよく考えられてできています。

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  5.  メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランスのホームページに
    「ヴェルサイユ ポドキャスト」があります。
    ここをクリックすると、「ヴェルサイユ宮殿」「マリー・アントワネットの離宮」の動画があります。
     
     「マリー・アントワネットの離宮」には
     ・プチ・トリアノン
     ・フランス庭園と小劇場
     ・岩山・洞窟・ヴェルヴェデーレ
     ・村里
     ・愛の神殿と泉
     ・エジプト舞踏
     ・小劇場の紹介
     ・紙張子の小劇場
     についての動画と説明が見られますよ。

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  6. こんな素晴らしいHPがあるとは
    知りませんでした!
    ここで予習してから
    実際にその場所を訪れたら
    より具体的に当時の面影をイメージできそうですね!

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