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2018年1月27日土曜日

マリー・アントワネットのドレスはどこに収納されていた?

こんにちは!
またまたブログの読者の方からの質問にお答えすべく
新しい話題を披露いたします^^

前回の投稿「ルイ16世は包茎手術をしたか否か」のコメント欄に
yuka kono 様よりこのようなご質問を頂きました。


 『ヴェルサイユ宮殿で生活している間 マリーアントワネットのドレスはどんな部屋に収納されていたのでしょうか。
それとも着用したら、すぐ下の者に払下げられていたのでしょうか。。』


早速調べてみましたが、なかなか「この部屋に収納されていました」とピンポイントで書かれている資料や文献が無く、RMN(フランス国立美術館連合)が出版している「Gazette des atours de Marie-Antoinette」という、マリー・アントワネットの衣装資料の本にも、やはり収納場所のことは書いてありませんでした。
唯一、あるフランス人が「ヴェルサイユ宮殿の見学ツアーで、マリー・アントワネットのドレスや下着を収納しておく部屋を見学しました!」と、その部屋(3部屋あるそうです)の写真入りでネットに載せているものがあったのですが、後にそのご本人が「王妃の衣装収納部屋は、1789年にトゥールゼル夫人(マリー・アントワネットの子供達の教育係)の娘、ポーリーヌの住まいになったと最近出版された本で知りました」と書いていて、じゃあ、1789年まで、そこが本当にマリー・アントワネットの衣装収納部屋だったのなら、それ以降はどこが収納部屋になったのだ?!という疑問も湧いたりで、なんだか釈然としなかったのです。
結局、「ヴェルサイユ宮殿の中のことは、ヴェルサイユ宮殿に直接訊いちゃえ!」ってことで、宮殿にメールで質問してみました(^O^)b

以下、歴史家であり、ヴェルサイユ宮殿学術研究所所長でもあるMathieu da Vinha(マチュー・ダ・ヴィナ《とお読みするのカナ?》)氏からの回答です⇓


『マリー・アントワネットの衣装収納についてですが、まず、各季節ごとに着用するドレスだけが衣装収納部屋に保管されておりまして、その年に着る1年分のドレス全てが保管されていたわけではありません。もっとも、その季節に着用したドレスは、各シーズンの終わりに、彼女のお付きの侍女たち、いわゆる『Dame d'honneur』や『Dame d'atours』にあたる高位官職の侍女たちに贈与されており、時にはもっと下位である部屋付き侍女にまで与えられることもありました。
(注:マリー・アントワネットの侍女については、『Hさんのご質問②』『Hさんのご質問②の続き 』のところで詳しく説明しておりますので、良かったらご一読ください^^)

そしてその衣装収納場所ですが、王妃の居殿の中2階(1階と2階の間)にある3部屋で、現在は、ポーリーヌ・ド・トゥールゼルに充てがわれた部屋と言われている部分になります。王太子妃時代の衣装収納部屋も同じく中2階にあり、2階にある『図書の間』と『午睡の間』(『ヴェルサイユ宮殿の隠れた部屋』にある見取り図の9、11、12番)の真下になります。

また、南翼棟の庭園に面した側の屋根裏部屋にも衣装収納部屋があり、そこは召使たちの仕事場だったと考えられている所です。』


と、大変ご丁寧に教えて頂きました(^O^)
ポーリーヌ・ド・トゥールゼルが住んでいた部屋ということですから、上記したフランス人の言っている3部屋で間違いなさそうですね!(ただその方は、その部屋は中2階ではなく、3階だったと書いていましたが・・・)
私もすーんごい昔にポーリーヌの部屋を見学したことがあるのですが、あそこがマリー・アントワネットのドレスをしまっておいた部屋だったのかぁ~!もしかしたらその時、ガイドさんからそんな説明があったのかもしれませんが、すっかり忘れておりました^^;よく覚えているのは、その部屋の真上が王妃の私室なので、王妃の秘密の話などが下にいるポーリーヌにダダ洩れだった、とガイドさんが話していたことです^^

ポーリーヌが1789年に衣裳部屋を‟占拠”したとすると、マチューさんのおっしゃる南翼棟の屋根裏部屋が、その後の衣裳部屋ということでしょうかね。

yukaさん、いかがでしたでしょうか?^^

因みに、お返事をくださったマチューさん、なんとも偶然なことに、この5月にマリー・アントワネットの衣装収納部屋に関する書籍を出版するそうですよ!!
Amazonで買えたら、買ってみようと思います♪

18 件のコメント:

  1. Kayoさん、こんにちは。
    お返事が大変遅くなり申し訳ありません><
    コメントを入れたつもりが反映されて居なかったので再度投稿させて頂きます。
    ここまで詳しく調べて頂いて、貴重なお話が聞けて感無量です。
    シーズンごとに保管していても3部屋使う程沢山のドレスがあったのでしょうね。
    あれだけ高価なドレスでも毎シーズンごとに贈与されるっていうのは太っ腹だなぁって思いました^^;さすがヴェルサイユ!
    ポーリーヌにあてがわれた部屋を見学されたとのことですが、やはり装飾が豪華なお部屋でしたか?

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  2. ROCOCO2018年1月31日 22:17

     衣裳部屋の件大変興味深かったです。
    王妃の私室の下に当たる場所なんですね。
    でも中2階だから天井が低いのかな?
    中庭に面した場所ですよね。
    王妃の私室に見学に行きたいけどガイド付きでナイト入れないのが難しいですね。
     

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  3. yuka kono 様

    こんにちは!
    コメントの反映が遅れて申し訳ありません><

    ほんとですね!ワンシーズン分の衣装しかないのに、3部屋分ってすごいですよね^^
    もっとも、1日に数回着替えを行っていたからというのもあるのでしょうね。また、ローズ・ベルタンが出入りしてた頃は、彼女の『営業トーク』によるところも大きかったかも?^^

    ポーリーヌの住んでいた部屋は、確か家具調度など一切置いておらず、がらんどうの部屋だった記憶があります。中2階のせいか天井も低くて・・・。まあ、彼女が住んでいた時代は、もうちょっと豪華な部屋だったのかもしれないですけどね^^

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    1. 確かに!ベルタンの影響もかなり大きいでしょうね。
      可愛い物を次から次に提案されたら、買っちゃう気持ちも分かります(⌒-⌒; )王妃自身も常に周りに注目されていると分かっていただろうし。
      前記事のように夫ともどかしい関係やら王妃としてのプレッシャーを感じるなか自分を主張する場所がオシャレだったり、友達と遊ぶことに費やされたり。。批判されることも多いですが、縛られた世界の中でも型にはまらずその時、その時を楽しむ王妃が人間らしくて好きです(^o^)
      すみません(*_*)話が逸れました(⌒-⌒; )ポーリーヌの部屋はシンプルな作りなのですね!
      Kayoさん、ROCOCOさんのおっしゃるように天井の低いお部屋で、同じく中2階に王妃の旅行鞄を収納する部屋を写真で見ました。
      中2階は元々収納を主として作られたお部屋が多いのかもしれないですね。

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    2. ほんとですよねー!次々とステキなドレスを見せられたら、それも、これもって買っちゃう気持ち、女性ならわかりますよねー(笑)

      中2階は「物置部屋」ならぬ「物置階」として使われていたのかもしれないですね^^

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    3. そうかもしれないですね!(^_^)
      ずっと気になっていたけれど、自分では調べきれなかったので分かってスッキリしました(o^^o)
      Kayoさん、本当にありがとうございました!!
      これからもブログはもちろん書籍の方も楽しみに待ちます!(^O^)

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    4. yukaさんのお役に立てて良かったです^^
      温かい応援も、どうもありがとうございます!!^^

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  4. ROCOCO 様

    興味深く読んで頂いて嬉しいです^^
    そう、天井が低かったのを覚えています。
    中庭に面してたか、ごめんなさい、よく覚えていませんが
    見取り図を見る限り、中庭に面していると思います^^

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  5. ROCOCO2018年4月1日 21:16

     6月にフランスに行く予定でしたが人が集まらず、中止にしました。残念。マリー・アントワネットに関するツアーだったので人気があると思っていたんですがね・・・。

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  6. ROCOCO様

    えーほんとですかー?!残念ですね。。。
    なんでしょう、料金がちょっとお高かったとか・・・?

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  7. ROCOCO2018年4月8日 22:28

     フランス8日間の旅行代金は6月で529900円でした。
    ほかにはゴールデンウィークもありましたが、こちらは639900円だから最初から計画せず。
    8月のゴールデンと同じ金額。最後に10月がありますが、こちらは509900えんです。
    秋だから寒くなるかな…と思いました。
     話は変わりますが、婦人画報5月号にマリー・アントワネットに関するレースが2つ載っていました。ぜひ読んでみてください。
     それから今日の新聞広告に、エマニュエル・ド・ヴァレスキエルの「マリー・アントワネット最後の日々」上下各2000えんというのがのっていました。
    今度読んでみたいな…と思いました。未公開資料を元に最後の3日間を描いているそうです。

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  8. ROCOCO様

    ん~今ってツアー料金の相場がよくわかりませんが、一昔前の各種フランス行きツアー料金から考えると、すごい高いですね^^;;その金額設定ですと、確かになかなか人が集まらないかも…>< でも10月のフランスなんて紅葉がとってもステキないい時季ですから、10月のツアーがせめて催行されるといいですね!

    ヴァレスキエルの本、興味深いですね!未公開資料ってところが惹かれます(≧▽≦)

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  9. こんにちは、アントワネットの娘マリーテレーズが好きでここにたどり着けました。遺書のことも読めて面白かったです。
    マリーテレーズの推定上の姉エルネスティーヌという娘のことをご存知ですか?アントワネットが引き取ったということや革命のときも自分の子供だと発言したと本で読みました。彼女はルイ16世の非嫡出子なのですが、エルネスティーヌと入れ替わったとのうわさ等ご存知のことを教えていただけたらとおもいます。
    いつかアントワネットの本出していただきたいです。

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  10. saraさん!!
    コメントの公開がこんなにも遅くなってしまい、本当に、本当に、申し訳ありません!!!(>_<;;)
    ブログのコメント受取設定がなんだか変わったようで、今日の今日まで、saraさんのコメントが届いていることに気づきませんでした!!
    気分を害されていなければいいのですが・・・(>_<)

    エルネスティーヌの件、調べてみますので少々お待ち頂けますか?
    というより、もうブログを見て頂いてないかしら(>_<)
    いずれにしても、調べて何かしら載せますので
    もしこのコメントを読んで下さいましたら、またチェックしに来てみて下さい!!

    本当に申し訳ありませんでした!!

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  11. お返事頂いてありがとうございます。
    ブログ見ております
    調べていただけるなんて嬉しいです。
    マリーテレーズのことは本もあまりにも少ないので

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  12. sara様

    おー!まだ見ていて下さってすごく嬉しいです!!(;´∀`)
    ありがとうございます!!

    エルネスティーヌの詳しい情報があまり無いのですが、それでも、フランス人の『マリー・アントワネットオタク』(笑)のような方たちがエルネスティーヌについていろいろ話してるサイトがあったので、その辺もちょっと見つつ、もうちょっと調べてみますね(^^)/

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  13. Yuko MA Shikaba2019年1月30日 0:57

    Kayo様

    記事を楽しく読ませていただきました。

    私の知るところでは

    衣装に関しては、コッセ夫人が病気療養のために辞職するまでは、とても頼りになる衣装係でした。食事は、アントワネットが取ったものを侍女たちが順に食べていくのですが、最後にメインが食べられてしまいグリンピースが回ってくることが多かったらしく、コッセ夫人はグリンピース嫌いになりました(笑)

    夫のルイ16世はファッションにあまり関心はなかったのですが、美しいと思ってくれてはいたようです。

    フェルセンが、いつもスタイリッシュで、アントワネットのファッションもとても細かに褒めてくれたため、お洒落をすることは喜びだったようです。

    ポリーヌは、早起きは苦手でしたが(母のトゥルゼール夫人は早起きで、何事も素早い)、掃除や整理整頓がきちんとできる娘で、部屋はいつも片付いていました。物もあまり多くありませんでした。礼儀正しいけれど、とてもユニークな性格で、面白い娘でした。

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  14. Yuko MA Shikaba 様

    コメントありがとうございます!^^
    記事も楽しく読んで頂けて嬉しいです♪

    コッセ夫人がそんな理由でグリーンピース嫌いになったなんて
    笑ってしまいますね!!
    18世紀当時はよくわかりませんが、フランスの家庭料理でグリーンピースはメインの付け合わせ野菜としてよく登場するんです。しかもその量が、大さじ山盛り5杯分くらいあって、これでもか!ってくらいグリーンピース食べてました(笑)

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