ブログ立ち上げ当初の勢いはなくなっていますが
細々とこのブログも続けております^^;
もちろん、出版の夢もあきらめておりませんよ!^^
ところで、一つ前の記事『マリー・テレーズ(マダム・ロワイヤル)の遺書』のコメント欄に
miyo様から
『ルイ16世は身体的事情でマリーアントワネットとの子供がなかなか授からなかったと日本のウィキペディアには書いてあったのですが、数年前にテレビ番組で大好きな狩猟を休んだ記録がないから手術はしていないと言っていたのですが、kayoさんの見解は手術をしていたということでしょうか?』
とのご質問を頂きました。
「ルイ16世の身体的事情」が何かをご存知無い方のために簡単の説明しますと
要するに彼は「包茎」だったのですね^^;
その為、ルイ16世は妻、マリー・アントワネットとの子作りの際に苦痛を伴い、行為が遂行できず、よって婚姻後7年経っても世継ぎが残せないでいた・・・と一般的に言われているわけでございます。
私がこれまで読んできた書籍や文献には、ルイ16世は「包茎手術をした」と記述されているものが多かった…というより、手術によって「夫の役目」が果たせるようになったという通説を前提として書かれているものが多かったように思います。
実際、結婚以来、7年間「夜の営み」がうまく遂行されないでいたのは事実で、この「営み」がきちんと「成された」のは、1777年8月18日月曜日と言われています。(オフィシャルにそんな『記念日』が後世にまで残ってしまうなんて^^;;)これはマリー・アントワネットが8月30日に母親に宛てた手紙の内容や、メルシー伯爵の報告等からわかるのですけどね^^;そして翌年、マリー・アントワネットは無事妊娠しています。
なので、それまでうまくいっていなかった「営み」が突如としてうまくいくようになったきっかけとして、
前記事のコメント欄にも書きましたが、この問題の解決のために、マリー・アントワネットの兄ヨーゼフ2世が、わざわざオーストリアからフランスへ来て義弟に発破をかけたという経緯があり、それを受けて『手術』という、決定的なものがあったものと信じ込んでいました。
しかし今回をきっかけに改めて調べてみると・・・
なんと、『手術をした』という記述のある当時の資料等が、実は何も無い!!
そうなんです。オフィシャルな文献は元より、ルイ16世本人が書いた日記の中、他の王族や側近による書簡、回想録等々、どこを探しても、ルイ16世が包茎手術をしたなんて記述は一切無いんです!!
有名なフランスの歴史学者フィリップ・ドゥロルムも書いているように
多くの歴史家は『1777年に来仏したヨーゼフ2世の強い勧めにより
ルイ16世は包茎手術を受けることに同意した』と主張しており、それが定説になっているのは事実です。(それが史実なのだと信じていました)
しかし、先に書いた通り、実際に手術したことを証明する文献や資料は、どうやら何も残ってないのですね(汗)
唯一、ルイ16世の担当外科医であったジョゼフ・マリー・フランソワ・ド・ラソンヌ医師が
1782年9月に、ルイ16世の陰茎の筋を切開する手術をしたと‟思われる”文献はあったのですけど、マリー・アントワネットが第一子のマリー・テレーズ王女を出産したのが1778年12月ですから
仮にこの手術が本当に行われていたとしても、それは長らく遂行されなかった「営み」が達成するきっかけとなった手術ではないわけですよね。
因みにフランスのウィキペディアには、ラソンヌ医師と、パリのオテル・デューの外科医、モロー医師の両者が、ルイ16世は(身体的に)いかなる不能もなく、(包茎)手術の必要は無いという考えを示した、との記述があり、同じことが他の資料や文献でも見られました。
そもそも、国王が包茎だったということにも疑問を唱えている歴史家、アマチュア研究家の意見も散見され、「営み」が7年間遂行されなかったのは、包茎のせいなんかではなく、単に性への目覚めが遅れていたから、ルイ16世の奥手な性格故、という意見も多かったです。そして、妻の寝室へ出向こうにも、常に宮廷人がウロウロしている『牛眼の間』(ヴェルサイユ宮殿の、国王の居殿と王妃の居殿を繋ぐ大広間)を通らなければならなかったので、彼らから好奇の目で見られるのが嫌だったからとも。
いやぁ~私もいわゆる通説を信じ切っていて、こういった見解が出ているとは知りませんでした。
勉強不足であったと反省しております(汗)
2007年に書かれたフランスのあるネット掲示板に、「ルイ16世は手術をしていないのではないか」という見解を持ったアマチュア歴史家のディスカッションが交わされており、 その中の一人が「ルイ16世は(性行為ができるようになるための)手術をしたという痕跡は何も無い。その代わり、ルイ16世は『狩り』をすることも、『馬の上に乗る』ことも、やめたことは一度もなかった」なーんて、フランス人らしい(?)エスプリを効かせた書き込みをしておりました(笑)
まあ、エスプリはこの際置いておいたとして、実際に「狩猟を休んだ記録が無いことから、手術はしていないだろう」という見解ってあるのでしょうね!(私は今回、そういった記述は残念ながら見つけられなかったですが-_-)
ということで、miyoさん、今日いろいろ調べてみたことを踏まえると
「手術をしていない」可能性の方が、実は高いかなと思い始めています。
真実は誰にもわかりませんが、そう考える方が妥当かな・・・という考えに変わりました^^;
今回このような勉強をできて良かったです。きっかけを下さり、ありがとうございました。








